何回殺しても死なない男 2

 あまりの寒さにディオは全身をぶるぶると震えさせながら、自分の部屋へ入りました。
 暖炉に火をつけて暖まろうと思い、ディオはポケットの中のマッチを取り出しました。
 かじかむ指の所為か、うまく火がつけられません。
「う……、クソッ! このッ!」
 苛立ってディオは、悪態をつきました。たくさん煙を吸ったからか、胸がむかむかします。
「かしてごらんよ。」
 耳に馴染みのある声が背のうしろにありました。
 ディオは、一瞬で手の震えが止まりました。そして、持っていたマッチはディオの手の中から滑り落ちて、床に転がりました。
 どこからか、真っ黒な手が伸びてきて、そのマッチを拾い上げます。
 シュッと、マッチ棒をする音がし、ディオの顔の横に、火がつけられた棒が差し出されました。
「ほら、火が欲しかったんだろう?」
 棒の先の小さな火が、ゆらゆらと燃えていました。
「はやくしないと消えてしまうよ。」
 ディオの顔のすぐ近くにマッチ棒はありました。ディオは目玉をきょろきょろさせて、その棒を持っている手を見ました。
 指は真っ黒で煤だらけでありました。
「ああ、熱いよ。」
 みるみるうちに、マッチ棒は燃えて、火は持っている指のあたりまできてしまいました。
「……ディオ、火はすごく熱いんだよ、熱くて熱くて……熱い、熱いよ……」
「ひっ。」
 黒い手はやがて、火がつき、燃え盛っていきました。
 その手はディオの顔の目の前にきます。
「やめろ、……やめろおおおおおぉぉッ!!!!!」
 ディオは叫び、涙を流して、その場にしゃがみこみました。
「やめろ、やめろ……やめてくれ……ジョジョ……」
 ディオが振り向くと、そこには、いつもと同じ、やんちゃで悪戯な笑顔のジョナサンが、歯並びのいい前歯を見せて、ディオに向かって笑いかけているのでした。
 真っ黒の、ぼろぼろになった寝巻きには、真っ赤な血がジョナサンの胸から今もだらだらと流れ続けておりました。


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