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夜明け~spirit~

19日、初日を観劇してきました。

テニミュ千穐楽から三日。ロスも明けないうちにテニミュ関係の舞台をみる。

初代、越前リョーマ役、柳浩太郎、復帰第一作である。

 

と、いうのも推しの一人八神蓮さんがゲストで出ると知ったので、

何気なく抽選に応募してみたら当たったのだった。

正直、「あれ?結構チケットあるんかな?」と思ってしまったのがアホであった。倍率10倍のめちゃレアチケットであったのだ。テニミュ大千穐楽とほぼ同じ倍率である…知らんかった…。

 

あらすじは、主演の柳演じる、柳瀬という少年が事故に遭い…

つまりこの作品は、柳浩太郎の人生をノンフィクションとフィクションを混ぜたストーリーなのである。

テニミュはバドミュ、ミュージカル バドミントンの王とパロられており、作中の役名も実在のモデルとなった人物をもじったもの。

そして作品の中心となる医療関係者や、治療方法などは、かなり脚色されていてファンタジー感がある。AI手術を施し、柳瀬を治そうとする医者。その方法では、人の感情、精神、心までも機械化してしまい、肉体は生きていても、彼の精神は死んでしまうと反対する看護婦、そして家族や仲間たち。

 

きっとこの舞台を観に来た人たちは、柳浩太郎の半生を知っている者ばかりだったと思う。

 

私が柳浩太郎、通称オレヤナギ(当時からこんな感じであだ名されていた)、ヤナギを知ったのは、彼が事故にあって1年~後くらいだったと思う。

2005年。

私をテニミュにハマらせてくれた当時の友人は、初演から観に行って、公演DVDも当時出ていたものは全て所持していて、何度も見せてくれて

彼の話も聞いていた。

 

そして私は、彼が越前リョーマとして舞台に立っているのを2005年の冬に観劇している。

そして彼が最後に対戦した当時の氷帝、日吉若役の河合龍之介さんは、今回の舞台で院長役として出演されている。

私は、2006年立海公演が始まる前、完全に龍ちゃんの日吉に心を奪われていた。なんだったら、初代の立海関東戦がはじまっても、当時の一番の推しは河合龍之介さんだったと思う。今でも好きな役者さんです。

 

初代青学、テニミュ1stを観ている、知っている人間にとって、

柳浩太郎という人間は、最強で、最高の役者だと思う。

公演当時から数年経って、ニコニコ動画で爆発的に再生数を伸ばし、テニミュと言えばのナンバーとされる「あいつこそがテニスの王子様」という曲は、

事故後のヤナギが一人で行う試合のシーンであり、氷帝戦での盛り上がりを見せる一戦だった。

ヤナギ演じるリョーマは大きな動きは行えない。だが他のメンバーが試合を盛り上げ、クライマックスを彩る、豪華でテンションのあがるナンバーだった。

ネット上では、空耳やテニスの王子様のミュージカルという題材な時点で、かなりのネタ扱いはされてしまってはいたが、

それでもテニミュの知名度を上げたのは間違いなくこの一曲なのである。

事情を知らない人から見れば、主人公であるリョーマの動きや歌声に疑問を持つのは当たり前だと思う。

 

舞台に立ち、観客に見せる演技、ダンス、歌は、ただそこにいるヤナギを観ただけでは、何故彼が、と思われても仕方ない。

 

それでも、当時のテニミュを観ていた者、そのうちにテニモンと呼ばれる私たちは誰もヤナギに疑問は持たなかった。

彼が、初代青学越前リョーマであることは絶対に揺らぎはしない。

 

彼がどれほどの努力をして、どれほどの辛さを味わって、

そして、沢山の仲間が彼を支え、繋いで、信じていたのかを、

見てきた、知っていたからでした。

 

普通の人間であったなら、一生寝たきりでもおかしくないという状況の中で、日常生活はおろか、彼はたった数か月で、板の上に帰ってきたのだから。

当時の友人の一人、ヤナギの大ファンだった子がいる。

彼女は、ヤナギの見た目や性格も当たり前のように好きだと言っていたが

何より「強さ」にとても惹かれていたのだった。

私も、彼のすさまじい根性と精神力は、誰も敵わないと今でも思う。

あんなに強い人間はなかなか居ない。

でもきっと本人や仲間の彼らには違って見えているんだろうな。

 

テニミュが他の2,5次元と違うと言えるのは、初代、1stシーズンの結束、絆があるからとも言える。

過ぎ去ってしまえば、ドラマチックに聞こえるかもしれない。

当時だって今だってただの一観客であった自分に、何が分かるというのだろう。

それでも、彼らが支え合い、励まし合い、助け合い、創り上げてきた世界を、誇りに思える場所であり続けてほしいと願っています。

 

すべてのテニミュを愛する人達、テニスの王子様を愛する人たちに、知ってほしい、観てほしい舞台でした。

 

ヤナギが、自分の半生をこんな風に作品にすることを、どう思っているかは私にはさっぱり分かりませんが(そうでなくてもヤナギの思考を理解するのは常人には不可能な気がする。)(きめる様とかエンヤなら分かるかな…?)

自分で自分を演じること、当時のことを曝け出すこと、

それを復帰作として演じたこと。

再生、rebornのように思えました。

 

数年ぶりに見るヤナギは、あの頃のままのヤナギと変わっていなくて、

誰に対しても、あっけらかんと話す様子や、フリーダムな言動や行動、

それでいて、場の空気感を掴む間の取り方

あの独特な雰囲気は、唯一無二だなと思いました。

彼は普通の役者にはならないし、なれないから、ヤナギはヤナギという存在のままでこの世界にいてくれるのだと思うし思いたい

彼が「もう嫌だ、もうやめる」とならない限り、この世界にいてほしいと思う

 

 

――

彼の半生ということは抜きにしても、ストレートプレイとして凄く面白い作品でした。

久しぶりに小劇場の雰囲気も味わえて良かったし、あの狭い空間での緊張感も良かったです。最後列の端でも、きっと肉眼で役者の表情もばっちり見れるのがいい。でも、もっと大きい箱でやって良かったはずだなあ。

 

楽日のマチネソワレはニコニコ生放送で観られるようなので、観たいです。

というか、せっかくなので沢山のひとに見てもらいたいです。

テニミュが好きなひと、テニミュが好きだった人、

テニミュを好きになりたい人、興味がある人、

柳浩太郎という役者がいること、演劇界に帰ってきたということ、

多くのひとに観て、楽しんで貰いたいです。

この物語は決して悲観的なものではなくて、

「楽しめる」物語です。

 

 

――

アフタートークもヤナギ絶好調で楽しかったです。

ヤナギと八神王子のエピソードが色々聞けて嬉しかったな。

トークの中でも話していたけど、

ヤナギと王子が初めて共演した2007年の体感季節という作品、

主演が龍ちゃんで、好きな役者がいっぱいいたので、観に行った思い出があって、

あの時も王子とヤナギが共演するなんて、楽しいだろうなって思っていたことを思い出しました。

ヤナギが連絡先を削除しなかった数人のうちの一人が王子だったこととか(その後消されてしまったwらしいけど)

テニミュでの役についての話で幸村くんのことをヤナギが「ああ、あのゲイっぽい」と表して、続けて王子が「中性的な見た目だからね」とフォローを入れてくれたりとか(ほんとこういう所大好き)

(その前にヤナギが幸村って誰?ああ!帽子の!、と真田くんと間違えて、ヘアバンドのキャラだって王子が説明したりしていた)

ヤナギのソロ曲あったんだっけ?歌ってよという無茶ぶりに、

王子は著作権とかあるからと言ってて(昔だったら歌っちゃってただろうなあw)鼻歌でそれとなーく披露してくれたりとか

パパが場を回したりしつつも、三人の軽快な懐かしトークはいつまでも聞いていたかったな!

 

森山パパは、全国立海後編も出演しつつ、夜明けの稽古もしていたそうで、

千穐楽、前楽(パパの最終公演回)のあとすぐに夜明けの通し稽古だっていうから、びっくりした。めっちゃハードやな~

南次郎演じたすぐあとに、テニミュのプロデューサー役やるんだもんなw

16日の前楽で胴上げされて2時間後には稽古してたってw

それだけこの作品は、色々みんな時間がない中も集まってくれたということらしいです(貰ったチラシや片桐さんのツイッターにも書いてあった)

 

 

 

 

 

なんかめちゃくちゃ久しぶりに長文書いたけど

これ感想か?

とりあえず今日観て考えたことと、残したいことを書いたからまいっか!

とても良かったのです

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