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2019年11月の記事は以下のとおりです。

たった一年と数か月の差

幸村くんって、一年生のこと「ボウヤ」って言うやん

リョーマくんとか金ちゃんのこと。

あれは何なんでしょうね。

隣にいつも口調が古めかしい彼がいるからあんまり目立たないんだけど

幸村くんも口調がおかしいよ。

たしかに中三から見た中一って小さいし、まだ小学生じゃんって感じするよな。わかるよ。

そして中一から見た中三ってほとんど高校生じゃん!大人っぽいなあって感じるよね。わかるよ。

大人になった今でも、中三と中一ってはっきりわかるくらい差を感じますね。体つきも顔つきも、大人の三年間より成長度が大きいのは確かだ。

当たり前ですけどね。子どもってどんどん変わっていくもんね。

 

ところで、テニミュの中のひと。

幸村くんのttisくんって、自分より年下の子のほっぺ触るの好きだよね。

SNSの写真にうつってるポージングでよく見かける。

だいたい年下にやってることが多くて、年が近い子や年上にはやってない気がする。だいたい年下。

よくにちかちゃんにやってる気がした。

あれは……なんなんでしょうねえ…。

私はTTISくん単体では追いかけないようにしているので、彼のことはあまり詳しく存じ上げないのですが、中のひとのインタビューやらでお見かけする性格からして

年下や小さい子に好かれる&可愛がるお兄さんタイプの性格なのかな、と思います。多分ね。

そのわりに……チムパで見せたtdrくんに甘えたあの感じは……何だったんだろうな…あれが計算だったら怖いわ。

そして結構天然さん。

ん……あれ?

何か12年前と同じことを考えてしまうな。

王子も年下によく好かれてたな。甘えられてたな…。そして年上には甘えてたなあ?

んん?

もしかしたら、オーディションの段階から、そういった中身も含めて加味されているのかもしれないですね。やっぱり幸村精市くんに通じるものがあるんでしょうね。

 

幸村くんも細かい描写まではないし、後輩といったら赤也とのシーンしかないけど(しい太はどうなんだろう?)でもやっぱり好かれて慕われているし

コート上では厳しくても、他の場面では優しいんでしょうね。きっと。

そうだって書かれているのが事実であるしな。

一年生と幸村くん、それもまたありやなあ。リリアデアントくんとも仲良くしてな。

 

サー立くん、後編

数少ないチケットを発券してみたら、

良い感じに、上手、下手、前方、後方、センター

と取れていて

尚且つ、ほとんど通路側でした。

ええ……マジで……!?

これ……マジで幸村くんと…………じゃん!?

と期待値が高まりすぎている。

幸村くんと接したのって、18年のチムパのお見送り以来か…。

お見送りの記憶も遠いな…。関東立海でもお見送りあったんだっけ?

ハイタッチなのかお見送りなのか忘れた。

立海チムライでは柳さんと、全立前編では真田くんと

ハイタッチとかグータッチとかしたから、三強コンプリートしたいねんな…。

特に全立真田くんとの……は……本当あれはね……夢女子に成らざるを得ないことでした。

いや……ほんと……何してくれてるの。

こわいわ…tdrくん怖いわ…。

あの日、結構テンション高かった?バルコニー席にハイジャンプまでしてタッチしてたもんな。元気やな。

 

元気な幸村くんに会いたい。

会える。

もうすぐ会えるんだって思うと心臓がドコドコしますね…。

私の10年前の辛い気持ちをきれいさっぱり忘れさせてほしいから

だから私は行くよ。ものすごい行くよ。会いに行くからね。

褐色16歳エロすぎない?

amebaTVでTHE DARK SIDE OF DIMENSIONSやっていたので、ついつい観てしまいました。

BDもDVDも持っているのにね!

コメント見ててニヤニヤしてしまいました…。ええな…。

 

そして、松坂桃李くん、本当にありがとう。

コメントでも何度もお名前を見かけました。

やっぱり有名人の影響力って大きいんやなあ…。

あれだけ告知(?)してくれてたら、私がもし松坂桃李くんのファンだったら普通に見るわ。

好きな人の好きな物は知りたいし、理解深めたいもんな。ガチファンだったらデュエリストになってるレベルでしょうよ。

 

桃李くん、自分の出演している作品よりTHE DARK SIDE OF DIMENSIONSの方を告知してくれてたもんな。謎。

オタクは自ジャンルや推し作品をどうにかして広めたいと思うものよね…。わかるよ…。

 

無料配信後、自ジャンル、自カプ界隈も盛り上がっていたなあ。

そして少しでも気になってくれた人が検索してくれたらええな、と思って自分も少しだけ振り返りツイートしてました。

そういや、one week~を読み返していないなあと思ったので、久々に読み直してみました。

わりとちょこちょこ感想をコンスタントに頂ける作品で、今までの中ではジョナディオの月海夜に次いで長い話だったので、思い入れもあります。

月海夜シリーズはトータルで30万字以上なのと1年以上かけて書いていたので、これを超えるのはなかなか無いだろうなw

 

でも読み直して気付いてしまった。

 

そんなにエロく……ない……。

 

あれ!?どこ開いてもラブラブちゅっちゅしてる本を目指したはずだったのに!?あれ~!?そんなにエロくないじゃん!!どうした!?

それとも…約2年経ってしまって

私はもっとドスケベ野郎になってしまったのかな……書いてないけど。この1年えっちな話、いっさい書いてないけど。

 

ショックでした。

あまりにショックだったので、商業エロや他ジャンルエロをずっと読んでいました。

こんなにも他の方々が書いている作品はえっちでスケベでエロエロなのに、どうして自分は……

エロってなんだよ……となりすぎてセクシー女優さんのツイッターを見ている有り様でした。みんなえっちでかわいいよな……。

世の中にはエロはこんなに溢れていて素晴らしいのに

自分は自分の好きCPをえっちですけべでラブラブに書けていないなんて、地獄じゃん。自分の馬鹿さに落ち込みます。

 

今はテニスの原稿をしなきゃいかん!と思っているけど

でもどすけべな海アテ書きたいよ…あんなにえっちですけべなのに、書けてないことが悔しいよ。もっと書かせて。海アテがラブラブでえっちなことして気持ち良くなってるの見たいし書きたい…性欲に溺れる10代でいてくれよ……頼むよ…。

 

やっぱり私は自カプのエロを書いてなんぼの人間なんだと思います。

書いていたいし、書いてこそ、生きている!

これがワイなんや!これこそワイなんや!

とりあえず練習練習。習作を書いていこうね。すけべ練習していよう。

がんばろう!

事実と現実

たっきーの訃報は誰にとっても寝耳に水で、信じられないことだったと思います。

私も最初は混乱して、ひたすらSNSやブログを読み続けていました。彼の俳優仲間たちも驚きとパニックの言葉ばかりで、

悲しみよりも先に嘘でしょ?という感情しかなくて、

公式からの報告を何度も読み返しても脳に理解が追いつきませんでした。

時間が経つにつれ、日が経つにつれ、あれ?本当なの…本当にもう彼はいないのか…と現実が自分の中に収まってくると、

涙が出てきて、思い出が脳内を駆け巡りました。

一番テニミュを見ていた頃、

一番俳優を追いかけていた頃13〜9年前

たっきーは、青学3代目の大石くん役でした

青学2代目の人気は凄まじくて、その代から変わる3代目のプレッシャーは相当なものだったと思います

当時、代替わりをリアルタイムで観劇して色々間近で観てきた私は、その人気の差というか、明らかな圧は、一観客でしかない私にも伝わってきたくらいです。

だからなのか、それとも同世代だったからか、

青学3代目は私にとって特別で、一番の青学メンバーになりました。それは今でも変わらずに、最推しの学校であり続けています。

12年たった今も、3代目卒業公演、最終岐阜公演に行けなかったことを悔いているほどです。

 

私にとっての最推しの俳優八神蓮と共演もお仕事も多くて、色んなイベントや、舞台を観に行ったり、参加したり

たっきーと握手したり写真撮ったり

時には普通に喋っていたりしたものでした。

ただ観ていただけの人よりも、ほんの少しだけ近くに感じていたから、

他の俳優たちより特別な人だったから、

思い入れも思い出もある。

突然すぎて、まだ信じられない自分もいる。

八神くんがTwitterでメッセージを募っていたので、私もコメントを送っておいた。

言いたいことが多すぎて、自分でもよくまとまらなかった。

今もこうしてブログに書いていても気持ちは整理しきれない。

こんなことがあるなんて、思いもしなかった。

許斐先生のコメントにもあったようにまさかテニミュ出身の俳優の訃報をきくなんて、考えもしなかった。

 

悲しいという気持ちより、ただただ寂しいという思いが強い。

もう会えないんだ。もういないんだ。

それが本当に寂しい。

いろんな方がたっきーのことを書いていて、その中で笑顔というキーワードがよく出てくる。

私も彼の顔を思い出すと、きらきらした最高の笑顔が思い出せる。画面の中でも、板の上でも、

そして目の前に立っていた時も、たっきーはすごくよく笑う人で、笑顔が素敵な人だった。

私も彼を笑わせようと、ウケを狙ったことを言って吹き出させた思い出がある。

楽しかったことばかりです。幸せな時間をたくさん貰ったな、嬉しいこと、楽しいことばかりでした。

本当に本当にありがとう。感謝しかないです。

 

私は、好きな人や好きな作品がたくさんあって、

推してるもの、人も自分で抱えきれないほどある。

好きがたくさんあるのは、幸せなことだけど、

こんな別れがあることを、

幸せを実感している時は忘れていて、

こんなに辛くて寂しいものなんだって、知ってしまった。

だからといって、好きなものをやめることはないし、好きになることもやめない。

もっと大事にしていこうと思う。

そして、人生を、毎日を楽しんでいこう。

誰にだって自分にだって、なにがおきるかは分からないからこそ。

やさぐれモンキー

  • 2019/11/13 22:39
  • カテゴリー:雑記

やさぐれちゃうよね…もうこうなったら何が何でも行くからな、サー立、待ってろよ!!??

 

――

テニスの原稿を始めています。

ですが、全然理解が足りない!となって原作を読み返すという行動を繰り返しているので、全く進んでいません。

これ、10年前と同じ行動をしていて笑います。

手元に常に原作とファンブックを置いて、BGMはキャラソンを流していた。

そして「あ、あのシーンってなんだっけ?」となった時に読み返すと

思わず読みふけってしまう……の繰り返しです。人は同じことを繰り返す生き物なのだね。

久しぶりに読む話は新鮮な気持ちで読み返すし

何年か立ってから読むと、違った解釈が出来て楽しい。

ちょっと悲しい気持ちになるけど、大人になると違った見方が出来るんだな…って改めて実感しています。

特にWJでのテニスは、リアタイ時学生だったから、余計に大人になってから観る眼が変わってくる。完全に保護者の気持ちだもんな…。

昔は先輩に憧れる眼で見てたんだけどね…。今も憧れてるけど、少し違うのかもしれないな。

 

早く原稿を書き進めていきたいし、本を作ってサークル参加していきたい!

楽しみで仕方ないや~!

表紙のデザインもぼちぼち考えて、ああしようこうしよう

って想像を膨らませている、この時って一番わくわくしますね。

一番ときめくのは、勿論想像通りのものが出来上がって手元にきたとき。だからそれはサークル参加当日なんだな…。

それを実現するためにも、頑張らねばなりませんね!やるぞー!

 

そういや2月にシティがあったんだっけ。そこも出たいなあ…。

検討します。

深イイ

まだ観てません。

録画したのをあとで見る予定なんですが、ざっくりツイッターで内容を知ってしまった。

いいでしょう?いいでしょう…ジャッカル桑原……いい男でしょう?

そして彼のいる学校、立海大附属、いい学校ですよ…。

 

番組をみて興味を持ってくれた方が、12月からの公演観に行こうかなって思ってくれても

そう易々とチケットの取れないこの現状をどう思うのか…。

 

私もチケットないけど、地方のホテルだけは予約しちゃったよ…。

大阪×2、宮城、愛知、福岡、行くよ。オレは全国に行くよ。

 

頭おかしいから大阪に2回行く。

頭おかしいからね…。

 

あとは東京、ほんとどうしようかね…。どうにかするしかないわね…マジでこんなにチケット取れないの何なの?

青年館入れてくれー!行かせてくれ!

当日券チャレンジきついっすよ。

半分くらいはチケット取れている予定だったんだけどな…まだ一応先行が残っているから希望を持っていような。元気出していこう!

あとは譲渡探すっきゃないな!

やっていこう!

更新

text YGO

18年、19年海馬君お誕生日お祝い文

 

――

去年の分、上げてなかったんですね。すっかり忘れていました。

そしてHPの更新も久々です。やり方忘れてたわ。

個人HPなんてめっちゃ面倒くさいことやってんな~。

でも続けるぞ。

10年続けるのを目標にしているぞ。あと4年じゃい。あっと言う間じゃぞ。

 

あと4年か…その頃は4th立海の頃かな(気が早い。)

テニミュも3rdシーズンが終わってどう動いていくのかはさっぱりわからんのです。もしかしたら新テニやるかもしれないしね。それはそれで楽しいな。

テニミュも、宝塚とか劇団四季みたいに、ひとつの大きな劇団のようなカンパニーになってきているし、そんな存在になってほしいな。20年、30年と、続けてほしい。そして何度も同じ公演を、キャストを変えながら繰り返していってほしい。

私は、4代目、5代目立海、果ては10代目立海くらいまで見守っていきたいです。何十年かかるんだ。

3代目に至るまでで、約15年かかってるのに。

6代目くらいで、あと15年?

10代目なんて45…50年周年くらいの時なのでは?

私……元気でいてくれるかな……?

これからのこととか

次回参加する予定は

2020年5月

5/2~5 夏コミ(ジャンル日程未定)

5/5 スパコミ(大阪)全国大会Ω2020

 

テニスの王子様 立海、もしくは真幸で参加予定です

PNとサークル名は「肉欲の権化」

 

コミケの日程は参加申込書が発売され次第なので分からない。

多分、1日目か2日目のどちらかだと思うので(4日目ってことはまずない?)

2日か3日と予想しています。

現段階で参加できる一番近いのが5月かな。がんばって原稿します。

5月の頭にもしドリライか、テニスかラルク関係の何かきちゃったら……考え直します。みんな早く予定出してくれよな…。

 

――

 

いや~、びっくりするくらいテニミュのチケット取れないね!先行ってなんなんだろう?有料会員ってなんなんだろう?

TSCで4枚取れたのはいい方だったのかと思い始めてきたくらい、取れないね!!

地方公演に関しては、まだチケットないけどホテル予約してるし、飛行機とか新幹線も予約するよ。チケットは…何とかします。

今までだってそうしてきたから…。

昔…まだツイッターもなかった時代は…青年館前でチケットゆずってくださいボード持って立ってたな…。

今はやっちゃいけないのか、やってないのか、知らんけどほとんど見なくなってきたな。とりあえずツイッターで譲渡検索するし、自分も呟き出しておくって方法かな。

ボード持って立つのは最終手段なのかな?

ドリライ5、2008年の頃なんて

私と友達は、ゆずって下さいボード持って立ってたら

マジでタダでもらってしまったことがあった。何人かのグループの方で、開演時間ギリギリだった。

お金払います!って友達と一緒に追いかけたんだけど

「もう始まるから~」って言いながら、全員会場に走っていた……。

そんなことがあったんだよな……驚きですね…。

たしか神戸だったかな。ドリライ5は1公演だけ見れなくて、あとは横浜神戸と5公演?、千穐楽も観たな…泣きすぎて疲れた記憶。

そして公演時期が真田くんのお誕生日(5/21)だったのでお祝いした思い出。

またその時期にやるのかな……だとしたら5月に大阪2回いくかもしれないのか…。2020年どんだけ大阪行くんだろうか。4回?6回?

 

――

ドリライといえば、2018

ブンちゃんが木手くんのことを「キテレツ」呼びしていたのが、衝撃だった。

テニミュの時系列としては、関東大会後だけど

ブンちゃんが木手くんと関わるのは新テニでのこと。

じゃあ、やっぱりテニミュにはテニミュの次元があるってことなんだろうか。

アニメも原作も、そしてゲームも、中のひとも入り混じったテニミュ独自の次元がある…。

だとしたら、ますます私は今回の全国立海戦を観に行かなければならない。

10年前と違うのは、新テニの展開があることだから

それが希望になっているから。

未来の幸村精市くんを、立海のみんなを、知っているから

この先の明るい世界を、彼らもまた知っているからだ。

だから私は会いに行けるし、会いに行きたい。何度も何十回も、今しかない彼らを見ておきたい。

きっと嬉しくて、楽しくて仕方ないよ…知ってるよ。

笑っている幸村くんを、きっとまっすぐ観ていられるから。

信じているぞ。

 

だからチケットくれ!金は払うから!くれ!!

 

 

2019海馬君お誕生日おめでとう文

『還る場所(かえるところ)』

 

――何度経験しても、身体が慣れない。

そもそも次元間を移動するという行為は、到底人間が成すべき事象ではないのだろう。

人間の肉体は、宇宙空間ですら適応できないのだ。

それでも人類は果てない夢に希望を抱いて、人々は無限の彼方へ想いを馳せた。

海馬は科学に不可能はないと考える。

すべてを可能とするという証は、今自分自身がこの大地を踏みしめている事実が何よりの証拠だった。

砂埃が舞い、海馬は口元を覆った。男の視界が金色に曇る。

初めてこの地に降り立った時の感情を、あの時の若い海馬瀬人は言語化できずにいた。

今ならその気持ちが判る。

海馬の魂の記憶は『郷愁』を感じていた。

この場所を知る筈がないのに、どこか懐かしいと思ったのだった。

自分の在るべき場所だと生命は悟る。

古の王――アテムの総べる国、太陽が輝く安寧の地。

この国は王の意思に相応しく、穏やかな時が流れている。

決して他の者に侵されない平和で静かな、安らぎの小さな楽園だ。

時代も月日も止めたままの永久(とわ)がここにはある。

だが海馬瀬人という異端分子によって、この地はわずかに、そして微かに変化を齎されていた。

「海馬!」

やけに明るい声がとおくから届いてくる。海馬の頭上に向かって、声の主は呼びかけていた。

王宮から覗く顔は、相変わらず幼いままだ。

開いた窓辺から身を乗り出しているアテムは、従者に肩を押さえられていた。

何をそんなにはしゃぐ必要があるのか。海馬は緩みそうになる口元を押さえて、手を振りかえしてやった。

始めは、あの頃の延長線上の関係だった。

目の前に対峙すれば互いに視線を交わし、闘うべき相手として向かい合う。好敵手として、あるいは戦友(とも)として。

思いが重なれば、時に語らい、時に感情を共有し合った。

これほどまでに魂が共鳴する相手はいるだろうか。

海馬には思いつかなかった。思いつきたくもなかった。

この世でもあの世でも、どの次元どの宇宙にも、これ以上の相手はたった一人アテムだけだと信じていた。

きっと互いにそう思ってしまったのだ。

そうなれば関係性は変化していく。

ただのライバルとも、宿敵とも呼べない。

友でも敵でもない。奇妙で不思議な、けれど、とても居心地のよい関係なのだった。

「海馬! きいてくれ!」

王の間についた海馬を待ちかねたと言わんばかりに目を輝かせたアテムが駆け寄ってくる。

「やけに気を昂ぶらせているな。そう急くな」

紅潮した頬がつやつやとしている。瑞々しい肌は発光しているかのように眩しい。

「とうとうオレにも初潮がきたぞ‼」

「…………あ……?」

おおよそ予想だにしない単語を耳にし、海馬はものの見事に硬直した。そして瞬きも呼吸も思考も、あらゆる身体機能を停止させてしまった。

「おい、海馬?」

目の前で固まって動かない海馬を見上げながらアテムは顔を覗きこむ。

その腕にアテムの指先が触れれば、海馬は、はっとして困惑の表情にしていく。

「どうやら次元間移動の影響で聴力に異常をきたしているらしい」

今のは聞き間違いだと、海馬はそう決めつけた。

「この前、海馬が向こうに行ってる間にきて、つい昨日終わったんだぜ」

「きた……? 終わった……?」

海馬の言う事を気にも留めず、アテムは自分の話を続ける。

「最中は辛いって聞いてたけど、本当だったんだな!」

海馬は目が眩んだ。よもや視力にも異常が現れてきたのだと思い込む。

目の前で自分に話しかけてくるアテムは、以前と何ら変わりはない。

小さな体躯、それなりについている筋肉、細く長いしなやかな手足。

大きな瞳、ややふっくらしている唇。

平坦な胸板、細い腰。声は低く、自分の名前を呼んでいる。

男にしては華奢だと思うが、それはまだ彼が十六歳だからだろう。恵まれた体格の海馬と比べるのは酷だ。

「これでオレも一人前の女として、海馬と契りを結べるぜ!」

「……は……? え……? ああ……?」

海馬は一生に一度しかしないような顔をしていた。目を丸くさせて、半開きの口が閉じない。

契りを結ぶ――言葉の意味としては理解している。

約束を取り交わすことの意。それから二つ目の意味は、婚姻や義兄弟の縁を繋ぐということ。

「もしもこのまま、子どものままだったら……出来ないと思ってたぜ」

「……アテム」

海馬は喉から声を絞り出した。通常時よりも更に低音だ。

「どうした、海馬。妙な顔しているな」

アテムは初めて見る表情だった。笑っているとも、怒っているとも言えない。まさに混乱、困惑の眼をしている。

顔つきから心情が読めないのだが、おそらく海馬自身にも自分の心が理解できていないのだろう。

「ひとつ確認するが、貴様は…………女なのか?」

「そうだぜ‼」

実に明朗な返答であった。

「声が随分と低いと思うのだが」

「幼少期に、高熱病にかかって声が枯れて低くなったらしいぜ。オレはよく覚えていないけど」

「……自分のことをオレと言っているではないか」

「いけないのか?」

「いや……構わん」

海馬には、それ以外アテムを男だと断言できる部分が見当たらなかった。裸体を見たこともなければ、アテム自身の身分を証明する書類も確認した覚えもない。――たとえ、童実野町に身分証明書があったとて、あくまで武藤遊戯の肉体をかりていたのなら、その時のアテムは男性だったのだろう――

「…………性別くらい、これといって差し支えがあるわけがない……」

未だ脳内で処理しきれない問題ではあったが、海馬はかなり強引に自分を納得させようとした。

性別など人間を二種に分けるただの記号に過ぎない。

自分たちの関係がそれくらいで崩れるわけがない。

決闘者であること。そして、唯一無二の好敵手であること。

海馬が男だと思い込んでいただけで、目の前にいるアテムがアテムであることに変わりはないのだ。

「いささか考えをまとめるのに時間を要してしまったな。これも次元移動による身体機能の低下が原因だろう。まだまだ次元移動機を改良せねばならんようだ」

「なあ、海馬」

「……ああ」

海馬は今一度見上げてくるアテムと目を合わせる。同じ眼をして、同じ顔をしているではないか。

妙に動悸しているのも、珍しく驚いた所為だろうと自分に言い聞かせ続けている。

「これでオレはいつでも……お前の嫁にいけるんだぜ」

「……よ……め、だと⁉」

「ああ。でもオレは王の立場だから、海馬がオレの婿になるって言い方が正しいのかな」

「い、入り婿だと⁉」

「王家の血は絶えさせてはならないんだぜ!」

ここは冥界なのだぞ、と言いかけて海馬は言葉を飲み込む。

確かに冥界だが、冥界だからこそ現世の理は通用しないのだ。生命はこの国にも存在していて、たしかに誕生がある。

「海馬は、必ずここへ来てくれると信じていた。その時からオレの心は決まっていたんだ。あとはオレの体が……ちゃんと子を成せるよう、きちんと大人になれるかどうか、ずっと気がかりだったんだぜ」

途端に歓喜の波が押し寄せてきて、海馬は奥歯を噛み締める。

――このオレを待っていたのだと、アテムは告白した。

海馬自身がアテムを想うのと同じように、アテムもまた海馬を信じていた。

自分の気持ちや想いを、相手も等しく抱えていたのだと知れば、胸は震え、叫びだしたくなるほどの喜びがあった。

どうにか感情を発散させたくて、海馬は強く拳を握りしめた。

アテムを男だと思っていた海馬ならば、もしかしたらアテムを抱きしめていたかもしれない。アテムを女性だと認めた海馬には、容易に抱きしめられなかった。

「いや……しかしオレとお前が……契りを交わすなどとは」

若い男の脳内には、現実味のない幻想の強い情交の一場面が浮かぶ。海馬瀬人は二十歳を迎え、未だ清らな身であった。

故に生々しい想像が出来ずにいる。

「でも海馬、オレとの決闘の最中はいつもちんちん勃たせてるぜ」

「なっ! 何を言うか!」

自覚はほとんどなかった。しかし昂ぶる決闘の最中では、大抵海馬は完全に勃起していた。

それも、アテムとの決闘では必ずと言っていいほどだ。

しかしあくまで性的興奮によるものではない。

男性ならば気持ちが高まる場面、スポーツや仕事などでも起こり得る。決闘者ならば熱い決闘を行えば、身体的に昂奮してしまうのは致し方ないことであった。

「それってオレで……そういう気持ちになれるってこと、じゃないのか?」

少女のアテムには、そのような正常な男性機能の仕組みがいまいち分かっていない。

男性が勃起するのは、相手に性的興奮を覚えているからだと思っている。

それが自分と一対一で向き合い、決闘をしている間に起きているとなれば、アテムがそう結論づけるのも仕様がなかった。

「オレは貴様にそういった不埒な情欲なんぞ……ッ!」

持っていないと言えば、アテムがどんな顔をするかは流石に海馬にも想像がついた。

幼い少女は、好いた男の子を成したいと願っているのだ。その想いを無下にする一言を口に出してはならなかった。

海馬の中にある少年の初心さを隠したいだけでは、大事な人を傷つけていい理由にはならない。

「こんなことは軽率に言う事でも、思うことでもない!」

「ケーソツじゃないぜ。オレには今必要なんだ。海馬の気持ちを教えてほしい」

アテムは一歩近づいて、海馬に触れようとしてくる。海馬は思わず身構えて仁王立ちになった。

腕にわずかに触れた指先は、すぐに離れてアテムは首を持ち上げる。

「オレは、海馬と……えっち、したいぜ」

語尾はだんだんと小さくなって、海馬にしか届かなかった。

子を成したいと言うのは大層な大義名分で、今のが本心なのだろう。

魂の共鳴する相手、生命が続く限り道を共にすると誓う人。

たった一人の自分の運命の男。

そんな相手と肌を触れ合わせ、誰よりも深くつながりたいと願うのは、ごく普通の当たり前の感情だろう。

そう思うことも願うことも、ましてや叶えることは出来なかった身分だった。

少女の切なる想いすら、秘めておかねばならなかったのだ。

ここでならアテムの心も、身体も自由だ。

真に想うひとりに自分の心を打ち明けられるのは、少女にとってどれほどの幸福だろうか。

自らの愛する男に、正面から好きだと、自分の言葉で自分の口から告白が出来る。

現世でなら、何一つ許されない行いだった。

アテムは真っ直ぐに海馬を見ていた。ときめき、わずかな期待と不安、それから愛情が紫の眼に入り混じっている。

「オレも……貴様と、同じ思いに決まっている‼」

王宮の天井まで貫くほどの声量が響く。

先を越されたのが、後になって海馬は悔しくなってしまった。アテムに言わせてしまったのが不甲斐なく思う。

「いいか、貴様が女だからオレが承知したと思うな! 貴様が男であっても、オレはアテム、お前を抱く! そして孕ませる!」

「男同士じゃ赤ちゃんはできないぜ」

「いいや! オレは絶対に成し遂げる! このオレの科学力を持ってすれば不可能など在り得ん! 貴様とて理解しているだろう!」

「確かに、海馬なら出来るかもしれないな」

「かもしれない、ではない! 成し遂げると言っている!」

「でもその必要はないだろう?」

「ぬうっ」

「オレ……大人の女になったんだし」

「ぬ……っぐ……!」

海馬は思わずたじろいでしまう。改めて女性であると意識すると少し緊張してしまう。

「フツーにすれば、できるとおもうぜ」

「普通とは何だ」

「ふつうは、ふつうだろ」

「一般的なという意味か」

「そうじゃないのか。オレ、したことないからよく分かんないけど」

古代生まれのアテムがどこまで性知識を持っているのかは、今の海馬には知り得ない。情報も伝聞がほとんどだ。王の立場ならば、神官らに教育されているのかもしれない。

「したことがない……」

海馬はアテムの言葉を続けて繰り返した。

この場で嘘をつく必要はない。言葉通り処女なのだ。

そして海馬自身も経験がない。ただ知識だけは蓄えている。何をどうするべきかは分かってはいる

「……海馬は……?」

「オレが、何だ?」

「海馬は、したことあるのか」

アテムにとっての初めてが海馬であるなら、海馬にとっての初めてもアテムでありたいと、少女は望んでいる。

普段より多く瞬きを繰り返していた。

「…………ないぞ」

男なら恥ずべき事実だろうが、海馬は見栄も虚勢も無用と知っている。――そもそもアテムにそんな素振りをした所で何の意味もない――

「そうか……!」

明らかに安心したという顔をしてみせるアテムが、初めて女らしいと感じた。

こんな風に柔らかい笑みを浮かべることもあるのだ。

海馬の心臓の奥が、ずきんと痛む。

こんな時、衝動に走りたくなる。抱きしめたくなった。

この腕の中に閉じ込めたくなる。

誰にも見せたくない。自分だけのものにしたい。

そして海馬自身も、アテムだけのものになりたいと思うのだ。

「このオレを散々煽る言葉を言いおって。アテム、これだから貴様は」

「うん?」

目に宿していた不安は既にない。やや挑発的な色を含んだ視線をアテムは海馬に送っている。

「これだから」

抱き寄せるに至らない手は、アテムの二の腕を掴むとやんわりと自らへ近づかせる。

バランスを崩したアテムはそのまま海馬の胸へおさまる形となった。

「……だ」

頭上で呟かれた言葉は、アテムにだけ聴こえた。

――仕様の無い奴だ。

アテムには、どんな愛の囁きより嬉しく思えた。

その声色はとても優しく穏やかで、自分が相手にとってどれほど大切にされているか実感する音だった。

オレにはお前しかいないのだと、海馬はそう言っている。

アテムにとっても、海馬だけなのだ。

たったひとり、お前だけだと、この唇が、この手がすべてを語ってくれている。

それだけでアテムは充たされるのだ。

 

 

永久の国に新たな命が紡がれるのも、そう遠くはない未来だ。光が満ちる楽園に、彼らの幸せがある。

 

 

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