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ねむり話

昔むかしのことだ。

おまえのじいさまの、そのまたじいさまのじいさまが生まれるもっと前の話だ。

この里を守る、地の龍、天の龍、水の龍がおった。

地の龍は、大地を。

天の龍は、空を。

水の龍は、海を。龍は災いから人々を守り、恵みを与えてくれていた。

里の人々は龍神に感謝し、平和に暮らしておったそうだ。

そして龍も、人々を愛していた。穏やかで、幸福な日が続いた。

しかし、戦がこの里にもやってきたのだ。人は争い、いくつもの命が失われていった。

地は荒み、天は嘆き、水は怒った。

豊だった田畑は枯れ果て、晴れ空は消え、川も海も荒れた。

龍神は、去ってしまったのだ。

愛した国が、人々が、醜く滅んでいくのを見るに堪えられなかったのだろう。

 

「我々は何故、そんな国を捨てられずにいるのか、分かるか?」

「他に行き場所が無いから」

老人は、くっくっと嗤う。青年は老人の皺の寄った目元を真っ直ぐ見つめていた。

ろうそくの火が隙間風に吹かれてゆらゆらと揺れる。夜は殊更冷える。

青年――瀬人はぶるりと震えた。

「この地に生まれ、この天の下に育ち、やがてこの海へと還る。それが私達のさだめ……龍神の守り人」

「先の女代は死んだ。外腹の女が産む者は、守り人の血ではない」

呪われていると瀬人は思う。守り人は男系家族であった。数少ない女は短命であり、病弱であった。

最後の女も死に、残されたのは祖父である老人と、その孫の瀬人だけとなった。

「瀬人、お前は若い。病気もない。お前は頭も良く、見目もよい。いくらでも他に生き場所がある。年老いたわたしはもうこの地を離れられはしない。爺に構わず好きな所で生きろ」

「……いいや、オレはここにいるぞ」

老人の手はすっかり冷えてしまっていた。灯りが揺れている。風は更に強く吹いているのだろう。小屋の戸がみしみしと鳴っている。

竜神の守り人を継ぐ。

一族の最後の一人になるのだろうと、幼い頃から気付いていた。

遠くもない未来に、自分自身がそうなるのだと確信めいたものがあった。

自分を産んだ母は、瀬人の命と引き換えに亡くなった。

竜神の守り人の女たちは、跡継ぎを産み終えるとまるで使命を果たしたかのように若くして亡くなっていく。

そうして女は、減っていった。生まれるのは男ばかりだったのだ。

里の地は痩せていて、人々はいつも飢えていた。海や川は静まる気配はなく、漁など行えない。

それでもなんとか繋いできた命も、今は儚い灯となっている。

老人も、今夜が峠なのだろう。

命の玉がゆっくりと肉体から離れゆくのを、瀬人は肌から感じ取っていた。

それでも老人はまだ良い方だ。この年まで生き長らえ、苦しみも少しばかりだ。

ほんの数日前まで、畑仕事をしていたのだ。丈夫で頑丈な方だったろう。

 

瀬人の物心がつく頃には、老人は老人だった。そして竜神の守り人の話を聞かせてくれたのも、老人だった。

直系の祖父ではないけれど、血の繋がりのある人物だった。

里の人は皆が親戚で、皆が家族だった。

それももう、終わる。

この老人は幸福だ。里の若者が、老人を見送るのも仕来りだったからだ。

見送られる相手がいるのは幸せなことだ。

独りではないと思うだけで、顔は穏やかになるのだ。

夜が明ける前には、逝ってしまう。

息の音がだんだんと静かになるのを、瀬人は耳を澄まして聴いていた。

 

波が岩に打ちつけられている。風は木々を揺さぶり、葉を落とす。

自分の心臓が鳴っているのがやけに響いていた。

瀬人が気づいた時には、老人は時を止めてしまっていたのだった。

 

 

 

 

――

夏ごろ……だったか。

考えていた昔話風海アテの冒頭でござんす。

設定が創作ゥ~モリモリ~~!!

時代のイメージはよくある日本むかし話のあのへんです。ファンタジ~な感じ。

そして昔話によくある「神様と致す」話ってことなのよ、ね~~ん!

 

一時期、ずっとまんが日本むかし話を見てたんだけど

すっごい面白いよ。10分程度の物語の中にぎゅっと起承転結がつまってて

トンデモ展開もいっぱいあって

ハマりました。

神様とデキてしまう系はいっぱいあるでな。

大体夫婦になるって表現だけど、ようはヤっちまったってことだ。

子どももすぐ出来る。

だからこの守り人海馬くんと竜神アテムの話も、すぐやっちゃうし夫婦になるし子供もできると思う。

で、昔話の場合は、正体がバレたら「帰ります」ってなるんだけど

たとえばアテムが「帰ります」ってなっても海馬君なら「いや離さん」ってなるのねん。

 

ここまで書いて気付いたけど、原作のまんまな気がする。

アテム「実家(冥界)還ります」(自分が正体分かったし、居るべき場所がここ(現世)じゃないから)

海馬「貴様、ここまで関係しておいて(永遠のロードの約束したじゃない!)許さん!!連れ戻すんじゃい!」

遊戯さん「いや居ないよ」

海馬「い゛る゛!!」

遊戯さん「居ないって」デュエル!!

 

なんやかんやin冥界

海馬「来ちゃった☆」

アテム「ふぇえ」

 

♥HAPPYEND♥

 

 

ざっくり書いたらこんな感じなんじゃないのかな。

守り人海馬×龍神アテムもそんな内容。

 

龍神アテムさんは正しくは

天龍、地龍、水龍を束ねる神様なんですわな。

天がオシリス、地がオベリスク、水がブルーアイズ

えっ!?ラーは!?ラーは太陽なのよね…

オベリスク、龍やないやん!?

そこん所は……目をつぶってくれよ。

 

 ――

手籠めにしてしまえば神も堕ちるのか

 

ハァ~…

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